
材料・物質の開発研究に携わるお客様より、Gaussian等の量子化学計算を想定して試算したモデルPC構成では、税込み160万円の予算を超えてしまったため、予算内で快適に動作する構成をご提案いただきたい、とのご依頼をいただきました。
お客様の構成シミュレーションは下記の通りです。
CPU :Intel Xeon Gold 5520+ 2.20GHz (TB 4.00GHz) 28C/56T x 2基構成
メモリ:合計256GB DDR5 5600 REG ECC 16GB x 16
GPU:NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4)
ストレージ:1TB SSD S-ATA
電源:1000W 80PLUS PLATINUM
OS:Microsoft Windows 11 Pro for WS 64bit
ご連絡いただいた内容を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | AMD Ryzen Threadripper 7970X 4.00GHz (boost 5.3GHz) 32C/64T |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 64GB x 4 |
ストレージ1 | 1TB SSD S-ATA |
ビデオ | NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (2.5GbE x 1 10GBase-T x 1) Wi-Fi |
筐体+電源 | ミタワー型筐体 1000W 80PLUS PLATINUM |
OS | Ubuntu 24.04 |
ご連絡いただいたご希望要件に合わせて構成を検討しました。
Gaussian 16は、分子構造の最適化やエネルギー解析などを行う量子化学向けのソフトウェアで、研究や開発の現場で広く活用されています。
この種の処理は負荷が高く、効率よく運用するにはシステムのスペックが重要です。
本ソフトウェアは、マルチスレッドによる並列実行を活用することで、処理時間を大幅に短縮できます。
構成について
並列処理機能を最大限活用するため、ご希望の金額内で可能な限りコア数を確保できる「AMD Ryzen Threadripper 7970X 4.00GHz (boost 5.3GHz) 32C/64T」を採用しました。
Gaussian 16で原子数50以上または基底関数500以上の計算を行う場合は、1コアあたり4GB以上のメモリを実装することが推奨されています。
メモリは余裕をもって256GB搭載しており、高負荷な処理にも対応可能です。
本仕様で採用しているマザーボードは、最大で4枚までのメモリを実装できます。
さらに容量を増やす場合は、現在のモジュールをすべて容量の大きいものに交換する必要があります。
ご参考までに
本ケースではお客様のご予算の範囲内でストレージの性能向上や容量の拡張を図ることで、より安定した運用環境を構築することもできます。
弊社は Gaussian 16をはじめ、材料工学やマテリアル研究など、他の高度な計算ソフトに適したシステムをご提案しています。
それぞれの手法に適したPCスペックについては、以下のページで詳しくご紹介しています。
ご予算やご使用のソフトウェア、運用方法に合わせて最適なパーツ構成をご提案いたします。掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。
キーワード・Gaussianとは Gaussianは、米国のGaussian社の開発する計算化学用ソフトウェア。 |
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